第6回演習 業界再編と株主との対話ーSR(Share Holder Relations)を考えるー(Case No.110 6th Ed.)

2019年2月23日 於:イイノカンファレンスセンター

概要

株式交換によってなにわ製鉄の完全子会社になるために株主総会の特別決議が必要な千代田鋼鉄と、その株式交換比率が低過ぎると現経営陣を批判し取締役に参加しようとする投資ファンドのチェリーアセットマネジメント。2007年に東京鋼鐵社と大阪製鐵社の株式交換をめぐり、いちごアセットマネジメント社が個人株主や少数株主の賛同を集めて会社提案を否決した株主総会、いわゆる「いちごの乱」をベースにした、中島塾ならではの迫力あるケーススタディ。
現経営陣が決めた組織再編案を株主はどう判断するのか。

課題

千代田鋼鉄は2月23日開催予定で臨時株主総会を行うこと。
招集通知は方の定めに従って手続きすること。ただし、発送はメール送信にて行う。
本ケースで委任状を勧誘する際には、「金融商品取引法」及び同法に基づく「上場株式の議決権の代理行使の勧誘に関する内閣府令」は適用しない。
株主総会修了後、千代田鋼鉄・チェリーアセットが、それぞれ主催の記者会見を行う。なお、記者会見準備及び会見に関係当事者を参加させるかどうかは各社にて検討する。

今回のMIP

粘り強く議事進行した社長役の太田氏

第5回演習 ディベート「監査等委員会制度」ーコーポレートガバナンスの充実ー(Case No.123)

2018年12月8日 於:イイノカンファレンスセンター

概要

中島塾恒例のディベート演習。
今回は、コーポレートガバナンス充実の観点から、「監査等委員会制度は監査役制度より優れている」というテーマについて、委員会派(肯定派)、監査役派(否定派)にてディベートを行う。


賛成派6:反対派11 反対派勝利

今回のMIP

プレゼンの構成要素が有効であった濱名氏

第4回演習 コンプライアンスと実践(Case No.97 10th Ed.)

2018年12月8日 於:イイノカンファレンスセンター

概要

バス会社が、運転手が無免許状態であったことと、他の運転手を「替玉」に使って隠蔽しようとしていたことが、内部からの告発文書により発覚。会社はどのように対応するのか・・・。
モデルとなるのは、2003年の通称「名鉄バス無免許隠蔽事件」。免許更新を行っていなかった営業所の路線バス運転手が運行中に市内で追突事故に遭った。運行主任は直後に無免許を知らされたが運転を続けるよう指示。その後、別の運転手に県警の事情聴取を受けさせた。「替え玉事件」をめぐり同営業所の5人が逮捕・起訴され、無免許運転続行の事実を隠すために虚偽報告した新たな容疑で当時の本社部長と営業所長も逮捕された、という事件。
これをベースにしながら、鉄道事業担当副社長とバス事業担当副社長との社内的な確執や、無免許運転の当事者と「替え玉」を請け負った運転手との背景事情など、立体的かつリアルなケーススタディ。

課題

12月8日に安全管理体制を議題とした取締役会を行う。
当日は、定例取締役会終了後、全社集会が予定されているため、主だった営業所の従業員も本社に来社している。

今回のMIP

社長として冷静に議事運営を確保した吉田氏

第3回演習 株主総会と企業ガバナンスー総会は企業を変えられるか?ー(Case No.112 9th Ed.)

2018年10月21-22日 於:アイセミナーハウス

概要

東証2部上場の太陽電気は電気部品の専業メーカー。1945年設立・資本金22億円・従業員160名・売上60億ほどの規模で、昨今は業績が低迷している。2076年3月、大量保有報告書により2011年設立のニコラ電子が15%の大株主になっていたことが判明、2017年10月の定時株主総会では会社提案の取締役承認議案が否決され、ニコラ電子の山本・齋藤・高村と従来からの太田・吉田が取締役として承認される修正議案が成立、創業家三代目の佐藤社長はその座を追われた。ニコラ電子出身の取締役たちは、ニコラ電子と太陽電池製造装置の共同開発を行うために巨額の出金を目論むが。。。
太陽電気はニコラ電子による乗っ取りから会社を守ることができるのか、監査役はどう動くのか、前社長の佐藤は・・・。
課題)
10月20日に太陽電気社の定時株主総会を行う。議案については、事業報告と計算書類の報告、剰余金配当の件は省略し、「取締役5名全員任期満了につき5名選任の件」のみとする。

今回のMIP

粘り強く冷静に対処し続けた社長役の山本氏

第2回演習 取締役の責任ー事業展開と取締役の忠実義務(Case No.3 27th Ed.)

2018年9月8日 於:日本外国人特派員協会会議室

中島塾伝統のケース

取締役の競業避止義務違反が裁判で争われた「山崎製パン事件」を母体にした、戦略法務講座中島塾で最も著名なケーススタディ。1期から今期28期まで全期において取り上げられているため、卒業生含めて全員が共通体験を有することとなり、中島塾受講者の一体感醸成に効果を発揮している。

概要

第二次世界大戦後の動乱期に、文字通り裸一貫独力で市川製パン社を創業し、事業拡大をして来た現社長の出分。ワンマン経営者で、社内の反対にもかかわらず千葉市の川口パンを個人で買収り、関西進出も個人でリスクをとって強引に進めていった。
小麦粉を納入していた東洋製粉社は、出分が病に倒れたときに取締役の派遣を依頼されたことを契機に市川製パン社の系列化を画策する。出分社長の実妹である副社長の濱名との確執も利用し、突然出分社長の過去の独断経営行為を会社法違反に該当するとの問題提起から戦いの幕は開いた。
課題)
時代を昭和51年と仮定して、9月8日の予定で臨時取締役会を開催する。議題は社長の法的責任の究明と措置の決定である。ただし、法律は全て現行会社法など(2018年9月現在)を適用するものとし、過去も同様の法律が施行されていたものと設定する。

今回のMIP

社長役を演じ切った出分氏

第1回演習 非常時のリスク対応(Case No.114 7th Ed.)

2018年7月21日 於:日本外国人特派員協会会議室

概要

日比谷食品株式会社は東証二部上場で、調味料・冷凍食品・健康食品まで幅広く食品の製造販売事業を展開している。人気商品は「まるまる餃子」「まるまるシューマイ」で、これらの製造は全て100%子会社の「多摩川食品株式会社」に委託していて、商品は「製造元:多摩川食品 販売元:日比谷食品」という表示にて販売されている。
7月21日12時30分、製造本部長宛に食品事故と思われる報告が上がって来た。チェーンストア・フレッシュフーズ日比谷店で、前日に「まるまる餃子」を購入して食した客の子供が呼吸困難となり救急車で搬送された、母親によれば当該子供は卵アレルギーを持っておりその症状ではないかと思われる、というもの。
日比谷食品から多摩川食品の幹部にも情報は伝わったが。。。
課題)
・ケースで設定された各自の「役割設定」と「指示」に従って、リスク管理上の対応方針を検討・決定し、その後記者会見を行う。

精緻なケーススタディをロールプレイングで仮想体験する「中島メソッド」、スタート

日比谷食品チーム多摩川食品チーム12名の受講生には、それぞれ個別の役割・ミッションと情報が設定されているので、まずは与えられた個別の資料を読み込むことから始まる。自分自身の戦略目標と組織の戦略目標を設定しながら、それを達成するための戦術を検討していく。
日比谷食品チームは、代表取締役社長・取締役営業本部長・取締役製造本部長・取締役法務部長・取締役広報部長・取締役開発本部長・監査役の7名、多摩川食品チームは、代表取締役社長(日比谷食品出身)・取締役総務部長(多摩川食品生え抜き)・取締役製造部長(元日比谷食品製造本部次長)・取締役製造部副部長(日比谷食品出身)・監査役の5名。

緊急対策会議で情報収集開始

合同会議スタート子会社の多摩川食品幹部も親会社の日比谷食品に合流し、対策検討開始。親会社と子会社という立場と力関係、各自が職責上有する立場(営業部門の事情、広報リスクの観点など)や利害関係(個人的感情の背景事情が設定されている)がぶつかり合い、対策構築にも微妙な温度差が生じる。
日比谷食品の伊藤社長がリーダーシップを発揮し、「まるまる餃子」当該製造ロットの全品回収と結論。

記者会見

会見スタート。「当該ロットだけの問題か」「それ以外の製品が安全であるという根拠があるのか」・・・記者からは厳しい追求が続く。最終的に「まるまる餃子」は当該ロット以外も全品を回収することを表明。

今回のMIP

強くしなやかなマネジメントが印象的であった、日比谷食品社長役の伊藤綾氏が28期一人目のMIP(most impressive person)に。