戦略法務講座「中島塾」とは

「戦略法務」の提唱者中島茂弁護士が開発した、日本でただ一つの戦略法務学習法、「中島メソッド」

「戦略法務」の浸透

1985年、中島茂弁護士により初めて提唱された「戦略法務」という概念は、加速度的にグローバル化する企業活動の発展とともに一気に社会に浸透していきました。

「戦略法務講座 中島塾」の誕生

「戦略法務講座 中島塾」の演習は、実際に発生した企業事件を参考に創作されたケースを基に、卒業生も含めた参加者全員が個々に割り当てられたケース上の役割を、単なるロールプレイングに留まることなくあたかも現実のもののように演じきることから始まり、これに、中島茂弁護士の指導が加わることによって「戦略法務」の概念と実行方法を実践的に学び、身につける場であります。「戦略法務講座 中島塾」は、2008年に至るまで19期・200名以上の卒業生を世に送り出し、卒業生の戦略法務力の向上を通じ、企業の経営を法的側面からサポートし効率化することで社会発展に貢献して参りました。

画期的で、唯一無二の「中島メソッド」

我々は、この唯一無二のユニークさと効果を併せもつ戦略法務学習方法を、創始者の名前をとって「中島メソッド」と呼ぶことにしました。そして、学習の場である「戦略法務講座 中島塾」を継続・発展させることによってより多くの人々とその体験と思いを共有し、活動を通じて各企業の法務関連職種担当者のスキルアップと各社の業績向上・コンプライアンスの維持向上、ひいては日本経済・世界経済の発展に貢献できることを信じてやみません。

OBとの有機的な交流

これまでの19期200名の卒業生によって組織される「中島塾OB会」は、業種・職種・世代を超えたフラットでオープンなコミュニケーション・ネットワーク。共通ケーススタディ体験による親近感や相互理解は、他のセミナーでは決して得ることの出来ない「中島塾」ならではの特徴。
後輩の演習にも積極的に参加するOBも数多く、効率的・効果的な演習実施を実現しています。


企業法務セクション以外の方へ

「戦略法務」は会社の総合力。受講生の3割は法務以外の部門の幹部クラス

総務・人事、経理・財務、広報・IR、営業・マーケティング、事業企画…

M&Aや企業買収などの場合はもちろん、新商品のネーミングや知的財産権の戦略的保護など、「戦略法務」は社内の多くの部門との協調で遂行されます。こうした部門の幹部が、「戦略法務」の知識・スキル・センスを持っていることにより、その企業の「戦略法務」総合力を飛躍的に高まります。

受講時には法務部門でも、その後、社内の戦略的な人事異動によって関連部署に転じることも多くありました。法務部在籍者はもちろんですが、特に法務以外の部署の幹部の方の受講をお勧めします。

いわゆる「法律知識」は不要です

「戦略法務講座・中島塾」は、通常の法律や判例を座学で学ぶ講座ではありません。活用する事例(ケース)は実際に発生している経済事件をベースにしていますので、講座で展開されるのは「ビジネス」「経営」そのものなのです。
関連する法律知識などは都度解説しますので、法学部出身者でなくても、また、事前に法律基礎知識を持っていなくても、全く構いません。

弁護士にとっても有益

企業法務に関わる法律事務所の弁護士にとっても極めて有益な講座として高く評価され、これまでに数名の受講実績があります。



演習内容

通常のセミナーのような「座学」ではありません。ロールプレイングによってあくまでも実践的に戦略法務の知識と技術を身につけます。

ケーススタディのケースは、すべて実際に発生した事案に基づいています

現実におこった事案を徹底的に分析し、主要な関係人物を受講生一人一人に個別設定します。各自に与えられる情報の量や質は、現実がそうであるようにそれぞれ異なっています。
この情報に基づいて事案を追体験していきながら、各場面での戦略法務のあり方を学び、身につけていきます。
演習を効率的に進めるために、ケースに応じて必要なガイド・課題やゴール設定がなされているので、スムーズに始めることが出来ます。

「役(ロール)になりきる」

演習当日までの間に、受講生間で連絡を取り合い、打ち合わせや作戦会議、交渉を行っていただくこともあります。これらも全てが戦略法務の実務研修なのです。

模擬記者会見、プレスリリースなど、広報戦略まで立体的にシミュレーションします

企業不祥事やトラブル事例に関して、広報戦略における戦略法務の実践を学ぶために記者会見のシミュレーショントレーニングを行います。ポジションペーパーの有無、作成、会見の方法など、プロのマスコミ記者からのアドバイスも受けることが出来ます。

これまでのケース例

  • 株主総会とシェアホルダー・リレーションズ
    • 外資系投資ファンドがシェアを高めて株主権要求をしたケースに基づき、ステークホルダーを割り振って、株主総会をシミュレーションする。
  • カルテルとリーニエンシー
    • リーニエンシー制度に則るべきか、会社の方針を決定する取締役会と、その後の記者会見を行う。ポジション・ペーパーの作成など、戦略法務と広報実務を行い、プロのマスコミからアドバイスを受ける。
  • 知的財産の情報管理と不正競争防止法の戦略的活用
    • 2グループに分かれ、それぞれ競合の新商品開発情報の入手と、それに対する法的保護施策の検討・実施をシミュレーションする。




シミュレーション型の演習例

ケース資料配布

シミュレーションを支える、精緻な分析資料

  • 「役」の割り当て
    • 演習前に、各受講者に、ケースの舞台となる「会社」の社長、CFO、営業・広報・法務・総務・品質保証の担当者、会社に敵対的な勢力の組織・人物など、ケース上の「役」が割り振られます。
  • 「情報」の配布
    • 各「役」の受講者にその「役」にふさわしい「情報」が資料として個別に配布されます。たとえば「PL問題」のケースでは、「製品事故の顛末書」「技術担当者の所見」「マスコミからの質問書」などです。
  • ミッションの指示
    • 演習を実効化するために、必要に応じてそれぞれの受講者に「レピュテーションリスクの回避に全力を尽くすように」とか「製品の技術的機密を守るように」といった個別のミッションが与えられることもあります。

ロールプレイング、開始

演習当日だけがセミナーではありません

  • 準備と演習当日
    • あとは、演習本番まで様々な調査、戦略の立案、交渉などを、「役」になりきって準備を行います。一定のルールの下でネゴシエーション、多数派工作、法的対抗措置、マスコミ操作、など可能な限りの攻防を行います。
    • 実践さながらのやり取りを通じて、実際に企業がこうした場面に直面した際の経営者・経営幹部の意思決定の在り方を実践的に学びます。

演習当日は真剣勝負

株主総会、取締役会、記者会見…シミュレーションを超えた迫力

  • 演習当日
    • PLのケースの例では、被害者団との交渉、行政への説明、模擬記者会見など、設定に応じて行います。資料の準備から情報管理まで、現実場面で役に立つシミュレーション・トレーニングが展開されます。
    • 上記の写真は、株主総会ケーススタディで総会終了時の経営陣挨拶しているシーンです。

講評・反省会

ロール(役割)に徹して、真剣にやったことで始めて得られるもの

  • 演習後の検討会
    • 演習後、塾長とのディスカッションを通じて、戦略面、情報収集面、交渉技術面、広報面などについて分析検討会を行い、実務に役立つノウハウを導き出します。
    • 塾長の講評と解説を受け、質疑応答。お互いを讃え合ったり、新たな気付きを得た後は、まさに「ノー・サイド」。演習終了後に場を変えて「反省会」で盛り上がることもしばしば。