ケーススタディの実際

1.あらまし

「戦略法務講座・中島塾」は、徹底してリアルな、「シミュレーション・ゲーム」を使って、身をもって「企業のリスク管理」を学ぶ講座です。

中島塾長やスタッフらが、腕によりをかけて、著名な企業事件を元に「演習用ケース」を作成します。受講生(塾生)にはその登場人物の一人に扮していただき、実事件のままに設定されている状況で、情報収集を行い、あとは自分の判断で戦略を立てて、実戦さながらにゲームを開始します。
他の塾生やOBらが扮している、ライバル会社、銀行、監督官庁、社内不満分子らと交渉を行い、契約を締結したり、ときには密約を結んだりすることもあります。交渉が成立するかどうかは生身の交渉力によります。

必要に応じて「法的アクション」をとることもあります。その場合は、塾長が所属する法律事務所の弁護士が、裁判官役や検察官役を担当し、リアルな法廷闘争になります。

結果が出た段階で、広報戦略も詰めて、模擬記者会見を行います。質問するのは本物のジャーナリストです!このうえないメディアトレーニングになります。

こうしたシミュレーションを通じて、実際の企業事件の当事者となったかのような経験を積むことができます。あるOBは「中島塾のワンサイクルは、実際のビジネス経験10年分に匹敵する」と感慨を述べておられます。

中島塾は、1985年の創設以来、毎年10名以上の卒業生を世に送り出し、今日まで脈々と続き、2012年2月には「第21期卒業生」7名が卒業したところです。

以下では、2011年に中島塾を卒業した「第20期OB」の方々にお集まりいただき、演習を振り返っていただいた対談をもとに、「中島塾」では、何をどのように学ぶのかを紹介したいと思います。

2.中島塾の演習方法

ケース・スタディの実態は、こうです。
20**年、K電気という技術開発型中堅企業に、ファンドを背景とした勢力が入って、資金を流出させようとしたところ、監査役が「違法行為差し止め権」という監査役に与えられた「伝家の宝刀」を活用して、この動きを食い止めた事案がありました。
この事案をヒントに、事案をある部分は誇張し、ある部分は単純化し、「監査役の活躍で企業滅亡を食い止められるか」というテーマを持つ、ケースを作成します。

そのうえで、
会社を蹂躙しようとするグループ 
会社を守ろうとする監査役にくみするグループ
両方の争いを見て、勝ちそうな勢力に乗るグループ
などのグループに分けて、それぞれ、塾長から与えられた「会社の財産を侵奪せよ」「会社を守れ」「勝ち組に乗れ」といったミッションに向かって、それぞれの判断でゲームを進めるのです。
役に立つ情報は、参加塾生の間にちりばめられています。それを、どう集めるかも演習の一つです。

現実の経済事件に基づいた、オリジナル・ケース

中島塾のケースは、実際にあった事件になぞらえて塾長が自ら作成します。ケースには、リスクマネジメントやコンプライアンス上のポイントが盛り込まれています。

20期第6回目のケースは、某電機メーカーで会社が乗っ取られたケースをモデルにしています。
各塾生には、ケースの登場人物になって演習を進めていただきます。
配役に徹して、自分自身の「戦略目標」を決め、演習開始。

【20期第6回のケースの概要】
東証2部上場の太陽電機は電気部品の専業メーカー。1945年設立・資本金22億円・従業員160名・売上60億ほどの規模で、昨今は業績が低迷している。2009年9月、大量保有報告書により2005年設立のニコラ電子が30%の大株主になっていたことが判明、2010年3月の定時株主総会では会社提案の取締役承認議案が否決され、ニコラ電子の取締役が取締役として承認される修正議案が成立、創業家三代目の社長はその座を追われた。ニコラ電子出身の取締役たちは、ニコラ電子と太陽電池製造装置の共同開発を行うために10億円の融資を強引に実施しようとする。

【今回のミッション】
今回のケースでは、演習日を定時株主総会の日としました。
定時株主総会における「取締役5名全員任期満了につき5名選任の件」の決議がミッションです。

現在の太陽電機の経営陣は、ニコラ電子により乗っ取られている状態です。
創業者でありながら、ニコラ電子の乗っ取り攻勢により、会社を追われた元社長が株主として、太陽電機の社長に返り咲くことができるのか。「委任状争奪合戦(プロキシーファイト)」がスタートします。
監査役は、戦いの中でどのように経営陣を監視していくのか。
それぞれの配役に、様々な隠されたミッションが用意されているのです。

さて、では実際に20期の受講生は、この第6回のケースをどのように演習したのか。演習終了後に行われた振り返りの座談会の様子をご参考ください。第20期生による、振り返り座談会

資料配布が、演習開始のゴング

第6回のケース資料は、2011年2月19日の第5回演習後に配布されました。資料を渡された時点で、既に第6回演習は始まっているのです。

司会)まず、最初に行ったことは何ですか?

元社長)登場人物のなかで、自分の味方になる人、敵になる人の「色分け」をしました。その中で、敵か味方わからない「グレーな人」たちにどのように接触し、味方にしていくのか、最終的どう組み合わせればマジョリティをとっていけるかなと考え・・・これは悩みます。

司会)監査役としては如何でしたか?

監査役E)監査役は何ができるんだろう、というのが、最初はあまり分かっていなくて、図書館に行って、監査役の役割の本を見て、どういうことができるのかと調べました。初めは、監査役は経営陣に聞けることは少ないのでは思っていましたが、経営陣に対しては何を聞いてもいいんだということが分かりました。

司会)中島塾に入ってくる塾生は、法律に詳しい方ばかりではありません。むしろ、法律の知識がない方が、法律を知ることの必要性に迫られ、それを身につけていくことにも意義があるのですね。

習当日までの間も、演習

与えられた配役のポジションを理解すると、それぞれ必要に応じ、連絡を取り始めます。電話だったり、メールだったり、実際に会ったり。誰と、どんな形で連絡を取り合うかも戦略の一つなのです。
今回の太陽電機のケースでは、演習当日までの間、飛び交ったメールは事務局が把握しているだけでもなんと700件以上、各配役の間ではミーティングも何度となく行われました。

司会)ニコラ側の取締役は、株主に説明するために事業計画を作成されましたが、あの事業計画は見事な出来映えでしたね。

ニコラ側取締役B)株主に話をするのに材料がないということで、事業計画の作り方という本を買ってきて事業計画を作りました。

創業家側取締役D)あの資料を見ながら上司と話していたのは、頭の良い人だったら素人でも詐欺できるね!と。

ニコラ側取締役C)事業計画などの資料作成だけでなく、今回のケースでは裁判所に仮処分の申立を行ったり、株主へ事前の説明会を開催したりもしました。自らの立場のミッションの成功に向けて、必要なことを自ら考え、行動しました。その中で色々なことを実践的に学び、身につけることができたと思います。シミュレーションとは、「まさにこのことだ!!」と感じました。

戦略を実践的に身につける!!

司会)中島塾は実体験しながら戦略を身につけるので、法律知識を増やす目的で一般的な法務セミナーを受講するのとは大きく違う点でもありますが、いかがでしたか?

ニコラ側取締役B)監査役が暴走しているようなときに、どうしたらいいんだろう?と思ってしまいました。監査役は確かに株主のために動くという建前はよく分かっているんですけれども、仮に、取締役がいい人で、悪い監査役だったとしたら、どうやったら止められるのかなあと、ちょっと悩みました。結局、監査役って日本であんまり目立っていないだけで、ものすごく大きな力を持っているんだなと。

ニコラ側取締役C)実務では、実際には弁護士に任せているので答弁書を自分で作るというのはまずないです。しかし、自ら実際に作ってみると相手方に何を反論すればよいのか、自分のどこが弱いのか、ということを浮き彫りにすることができました。理屈では、こういう風に言われたら、こういう風に反論すればいいやというのは分かっているんですが、本当に作ったらどうするのか、作るためにはどうするのかが分からなかったので、泣きながら、味方に相談しつつ作りました・・・。

ニコラ側取締役A)知識と実務の架け橋ができたのかなと思っています。違法行為差止請求に関する答弁や、取締役会議事録の閲覧謄写請求は理論的には知っていましたが、実際にはどのように対応したらよいかということを知ることができたのはよかったなと思います。

広報力を養う

司会)中島塾では、現役のマスコミの方も演習にご協力いただいていますので、マスコミを活用した「戦略広報」も学ぶことができますが、如何でしたか?

元社長)創業家一族で大株主の配役である私にとって、ある意味、太陽電機は私の会社なんですね。内輪もめ元社長が現経営陣を追求するを外にさらすのは、ものすごい抵抗感があって、この悪役の人たちには出て行ってもらいたいというのはあるにしても、外に言うことではないなと思いました。恥をさらすことになりますから。残った会社が、ではどう世間に見られるかと考えると、やっぱりマスコミに出すのはちょっと・・と思ったのです。結局、何回も迷ったんですけれども、やらなかった。

監査役E)裁判をするとマスコミにばれます。ただ、マスコミにお手紙を書いて、こういうことをやったから広く告知してくださいというアクションは控えました。裁判所を通して出ていくのはいいんですけれども。

ニコラ側取締役B)ニコラ電子と提携する事業戦略を、マスコミを利用して、既成事実としてしまうべきだったかもしれません。

司会)広報の仕方によって、会社は世間から良くも悪くも見られ得ることは、様々な不祥事の事案からも明らかです。何を、どこに、どうやってディスクローズするのか、しないのか。そういう戦略的な視点を持つことが自然とできるようになっていくのですね。

悪役の気持ちを知る

司会)中島塾では、裏切り者や悪役を割り振られることもあります。「自分は絶対悪いことはしないから」「悪いことを疑似体験する意味があるのか」と思う人もいるかもしれません。けれども、悪役の心境を知ってこそ、得られる能力やコンプライアンスマインドがあります。

ニコラ側取締役A)自分の割り振られた役は、現実世界ではなかなか体験できないようなシチュエーションで、思いっきり、保身のためにできることはなんでもやるという悪役。偽造もやるし、人も騙すし。しかも、平気な顔して騙さなくちゃいけないとか。そのロールプレイングに徹しているうちに、だんだん、「いいことをしているんだ」という風に、自分のマインドが変わっていくのが怖かったですね。悪人というのは、本当にこうなっちゃうんだろうな、と思いました。『別に、自分は全然悪いことしてないよ』みたいな。ある意味、あの感覚は新たな学びでした。

ニコラ側取締役C)悪役をやってみて、意外と心理的にストップがかかって、悪いことはできないなあ、とも思いました。

ニコラ側取締役A)心底、悪役になりきってみる、思いっきり悪いことをしてみる・・シミュレーション演習でしかできない体験です。

ミスから学ぶ

司会)演習ではビジネスで起こりうるミスが、これまた同じように起きますよね。

元社長)我々側のメールを間違えて敵方に送ってしまったんですよ。「KIUCHI」と「KIKUCHI」で見間違えて。追い討ちで、私がリターンメールでかぶせたんで、結構な情報が実は流れたんですよ。それを読むと、ある意味、彼が裏切っているのが分かる状態だったんです。

司会)演習で起こりうるミスは、実際、ビジネス上でも起こり得るものです。演習中は様々なメールが飛び交いますが、メールの誤送信に気づいたときは、血の気が引く思いがします。
ビジネス上本当に起こっていたら大事となる「ひやっと」を実際に体験した人は、どんなに研修で同じことを聞かされた人より、失敗の経験が身にしみます。演習でどんどん失敗してください。その体験をもって、実際の実務で同じことが起きないようにすればいいのですから。

後悔から学ぶ

司会)演習では、後悔することもあるかとは思いますが・・・。

元社長)総会前に、事前株主説明会を開きました。創業家一族として、自分の会社に返り咲くために、ぜひとも他の株主の協力を得たかったのです。説明会での感触はとてもよかったのですが、その場で委任状をめませんでした。

OB株主)確かに、説明会でのイメージはすごく良くて、これはやはりこの人だと!あの場で委任状を集めていたら、委任状を渡していました。ただ、総会当日は、これは駄目だなと(笑)。

元社長)総会の進め方のマニュアルは作ってあったんです。でも、当日、失敗だったなと思ったのは、もっと、議長と敵対株主のやり取りのストーリーを作っておけばよかったなと。

監査役E)監査役サイドが大人しくし過ぎたかなという後悔はあります。いっそのこと、流会になるくらい荒らしても良かったのかなと。騒ぎ方が足りなかったのかなと反省しました。大人しく経営陣の言うことを普通は聞かないだろうなと。そこは役に徹しきれていなかったとの反省があります。

元社長)選ばれるのに、選ばれる側がまったくまとまっていない総会って、そりゃ選びたくないもんなと思いましたよね(笑)。どこをどうしたもんかというのがわからなかったです。この会社危ないとしか思えないだろうなって。これを危なくない、この会社を創業家一族の元代表取締役に任せればよりもっと良くなるんですということをアピールできればよかったのかなと思いました。

創業家側取締役D)僕は、最後の従業員持株会理事長の演説で勝てるかなと思いました。従業員はこっちについているんだというのがあったときに、いけるかなと思ったんですけどね。あれにもっと被せればよかったかなと、後になって後悔しました。

司会)一生懸命取り組んでいたからこそ、「ああすればよかった」「こうすればよかった」など、悔しい思いは、ずっと心に残ります。ケースでの失敗を糧に実際の仕事の場面でも、「同じ失敗は繰り返さない」気持ちが出てくるのですね。

予期せぬ事態に対応する

演習が前日に迫った3月11日に東日本大震災が発生!!!
中島塾史上初めて第6回目の演習は急遽、延期決定されました。すなわち、「定時株主総会」の延期です。
現実に、東日本大震災により、株主総会を延期せざるを得なかった会社はありました。これに限らず、「招集通知に誤植が発覚」「株主総会当日、議長が来られなくなった」「急遽、取締役会に参加できなくなった」等、ビジネスでは、予期せぬ事態に遭遇する危険が常にあります。中島塾は、現実のビジネスのシミュレーションなのです。そういった事態への対処能力を培うため、演習中に起こった事象はすべて、「実際のビジネスで起こった場合どう対応するか」を基準に解決していきます。

演習当日――株主総会

延期された株主総会は、4月9日に開催されました。
株主総会の会場セッティング、受付も、塾生が自分たちで考え、行います。
株主役の中島塾OBを迎え、塾生一同に緊張が走ります。
取締役に返り咲きたい創業家株主との戦い。それぞれのプレゼンテーション力も試されますし、議長の采配力も試されます。運命の投票開始

午後2時10分、株主総会が開催されました。
議長から、太陽電機の「取締役5名全員任期満了につき5名選任の件」が上程されました。
即座に、創業家株主からこの議案に対して現経営陣への執拗な質問が飛び出しました。出席株主の皆さんに対しても「現経営陣は不正を行い、会社を喰い物にしている!!!」との猛烈なアピール。創業家株主から、取締役選任議案に対して、自分をはじめとする創業家側メンバーを取締役に選任するための修正動議が出されました。

現経営陣と創業家株主それぞれのアピール合戦となった株主総会の議場。議長の議事進行により、会社側提案の議案と創業家株主の議案の両方が株主総会において賛否を問う、という異例の事態に発展しました。

その結果、「会社側の議案が否決、旧創業者の議案も否決」という稀に見る結末となりました。
ニコラ側取締役C)一番びっくりしたのは、株主の一人が、「取締役会議事録を偽造したのではないか!!」と言い出したときに、これはまずいなと思いましたね。

ニコラ側取締役B)総会の前に困るなと思っていたのは、何回も監査役への発言を求められたらどうしようかと。拒み続ければ、それはそれで議長の印象がすごく悪くなるなと思ったので、1回や2回は、監査役に発言させなければいけないだろうと思っていました。まさか、マイクを自分で掴んで話し出すとは思ってもみなかったので(笑)

司会)入念に準備してきても、当日がどういう流れになるか誰にも分かりませんし、予期せぬことも起こります。同じケース演習でも、期によって全く違った結論になります。どんな結論でも、最後まで、後悔し、反省し、学ぶことが必ずあるのが中島塾です。

演習当日――記者会見

司会)株主総会の後は記者会見でした。中島塾では、演習当日、現役記者の協力を得て記者会見を行うのが恒例です。

創業家取締役D)見ず知らずの人からバンバン攻められるわけじゃないですか。あれはちょっと人間不信になりますよね(笑)。えらいとこ来たなって感じでしたね。

ニコラ側取締役A)正直に言って一番怖かったのは、勝って記者会見をしなければいけないこと。記者会見はしたくないなというのが本音だったんですね。また責められるのかなと(笑)。それはやっぱり強かったですね。あんな経験まずないですよね。記者会見で、しかも、なんだか知らないけど、あんなに怒られる(笑)。今となればいい経験だと思うんですけど。

監査役E)現役の記者による記者会見は、中島塾の醍醐味だと思います。

司会)記者会見で、現役の記者から責められ、うまく受け答えできない自分を知る。つい、言ってはいけない事を漏らしてしまったり、約束してしまったり。他のセミナーでは決してできない経験をすることができます。

ゲーム感覚で真剣勝負

司会)こうやって見てみると、中島塾では、確かに普段学べないことを体験することができる反面、難しいことをやっていて、自分にはできないのではないかと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、ケース演習にはゲーム性もあります。ぜひ、もっと気楽に構えて、演習に入り込み、楽しんでいただきたいのです。

ニコラ側取締役A)違法行為をものともしない役だったので、『どこまで悪に徹することができるかな』という楽しみを感じました。もちろん、現実では無いのですけれど(笑)。

創業家側取締役D)取締役の間で、取締役会決議の有無・有効性についてメールで議論をする事があったのですが、その議論が段々エキサイトして、知らず知らず各自がまるで本当の取締役になったかのように白熱した議論が展開されていたことがありました。

司会)「本気で」「おもいっきり楽しんで」やっていただきたいのです。その方が、学ぶことが多いと、後できっと分かっていただけると思います。

演習を終えて

司会)20期は、東日本大震災後に延期され開催された第6回演習をもって、中島塾を卒業されましたが、本当に20期の皆さんは仲が良くて、最近もよく集まって情報交換されているそうですね。
色んな会社の、色んな部署の、色んな年齢層の方が集まる中島塾だからこそ、普段のビジネスだけでは出会えないような人との出会いがあり、最高の仲間となっておられるようで、私自身羨ましく思います。

F)普通に話してて信用される人とされない人がいるんだと(笑)。ロジカルに話すとか、実際に相手を説得できるできないとかとはまったく別次元として、この人は信頼できるできないというのがある。職場でも歳が株主総会修了後の記者会見上ってくると、周りの人も言いたいこと言ってくれないので、時々きついことも言ってもらうことで、普段の仕事のやり方を客観的に見られるというのはあります。

G)単純に自分より上の方を見習うというのもありますし、逆に若いけどポーカーフェイスでのやり方とか、そういうアプローチもあるのかと、すごい勉強になりました。

H)人を見たり、設定されている会社の技術的なことや、OBの方々を説得することなど、演習は物事一個一個ではなく、トータルで考えないとできない。多面的な要素を試されるというか、自分にはないと思い知らされるというか、本当に良い経験をさせてもらいました。いろんな経験ができる、いろんな能力を試される、だけど十分にできないことの悔しさが97%。この歳で始めて経験させてもらいました。
K)毎演習終了後、中島塾長から、演習の講評と、ケースのポイントについて解説があります。
気なく行った発言について「すごくよかった」と言われて「なるほど」と気づくこともあれば、「ここまでよかったのに、最後の詰めが甘かった」と言われて悔やまれることも。

司会)一所懸命演習に打ち込んでいるからこそ、時に、自分の与えられた役の戦略目的を見失いがちですが、塾長の講評を聞くことによって、演習中の自分の言動のどの点がよくて、どこが間違っていたのか、客観的に確認することができますよね。
また、塾では、ケースの題材になった事例を徹底して分析し、得られた教訓からリスク管理の要点を抽出しケースを作成しています。この「教訓」と「リスク管理の要点」の解説を聞くだけでもとても勉強になりますが、実際演習を行った後に、ケースのポイント解説として聞くことで、「リスク管理の要点」が身にしみて理解できます。

I)他業種の方のいろんな動きを見ることができてすごく良かったと思います。仕事の仕方、動き方、また説得の方法や考え方、思考の方法などを知ることできてためになりました。法律だけでなく、マスコミとの接し方など、多面的な見方をしなければならないというのは本当に痛感しました。

J)中島塾のよさは、実際おこる可能性のある事件に対し、役柄に徹することで、学び体験することができ、やっている最中は時間がなかったり、サボりたくなるものの、終わってみれば、これだけのことを学ぶことができ、また同期生とめぐりあえたことが、大きな収穫でした。


島塾の演習をしている間は、本当に大変だし、苦しいし、辛い思いもたくさんすると思います。でもそれを乗り越えたときに得たもの、中島塾で出会った人とのつながりは、きっとあなたの一生の財産になります。これを読んで、少しでも中島塾に興味を持って下さったなら、勇気を出して、中島塾に入ってみませんか。見学は随時大歓迎です。